炭鉱の町、悲別で。
閉山が決まったその夜、組合長・野中平吉が自殺した。平吉は死の直前、炭鉱夫だった息子のジンにこう語る。「昔、30年前、かつての坑夫たちが、今では閉鎖された旧坑道の地下300メートルに、タイムカプセルを埋めた。その中には希望が入っている。いつかそのタイムカプセルを探してごらん」と。ジンとその仲間たちは、10年後の大晦日、再会して一緒にタイムカプセルを探そうと約束し、一人、また一人と悲別から去っていった。
10年後、すっかり変わり果て、死んだようになった悲別。約束の大晦日に集まったのは、ジンとブイの2人だけだった。2人は立ち入り禁止の坑道に入り込む。そこで2人を追って取材に来た新聞記者の中村と出会う。カプセルを探すうち、3人は突然の落盤に襲われ、坑内に閉じこめられてしまう。 その頃、地上ではひとつの事件が伝えられていた。札幌で、ジンの仲間であるサトケンが殺されたという。衝撃を受ける人々の間に、さらにショックな事実が知らされる。犯人は同じ悲別の仲間、加山であるというのだ。 一方、坑内から脱出しようとするジン、ブイ、記者の3人は、再び落盤に襲われ、脱出の望みが失われる。その時彼らの前に偶然現れたのは、探し求めていたタイムカプセルだった。キャップライトの光が弱まり消えていく中、カプセルの中から出てきた「希望」とは……。


★2008年1月11日(金)~2月11日(月・祝)