2015年1月10日の富良野演劇工場公演からスタートしました、舞台『ノクターン―夜想曲』の全国公演ツアーは、3月14日の北海道・幕別町でのツアー公演千秋楽と、その翌日に急きょ組まれた富良野演劇工場での特別公演で、幕を閉じました。
公演各地でのお客様の反応も、非常に熱いものがあり、演劇者冥利に尽きるの一言です。お越しくださった皆様。そして様々な形でこの公演を応援してくださった皆様に、心よりの感謝をお伝えします。
2月1日と、3月1日~7日に、物語の舞台となった福島で公演がありましたが、現地入りしたスタッフ・キャストにとっても、目の前に広がる福島の景色、街並み、そして、「安達太良山」の上に広がる「本当の空」を目に焼き付けての公演となりました。この福島各所での公演は、言葉では言い表せない一体感で劇場が包まれました。やはりこれは、演劇の持つ「生」の力によるものだと思うのですが、現地の多くの方が、「自分たちの体験した真実が、自分たちが味わった本当の悲しみが、自分たちが口にしたくても出来なかった心音が、今まさに、舞台で語られている!」と感じてくださったようです。倉本が祈念しております、「福島の人たちの心に寄り添いたい」という願いが、一つの形になった舞台となりましたことを感じます。
2015年3月15日(日)。
富良野演劇工場『ノクターン―夜想曲』特別公演。古里・富良野の皆さんの尽力で開催され、「富良野凱旋公演」という栄えある名称で開催して頂いたこの最終公演のカーテンコールで、作・演出の倉本が述べた挨拶を一部掲載いたします。
「どうもありがとうございました。3ヶ月弱に及ぶ旅を終えまして、昨夜(ゆうべ)こちらに帰って参りました。
本当に今回の公演は、各地満席で、非常にものすごい反響がありました。
僕は毎回ロビーで皆さんと握手したり、サインをしたりしながら、お話をさせて頂くのですが、
どこの土地でも、福島から避難していらっしゃるという方がたくさん観に来てくださいました。
そして、会津、郡山、いわき、福島、そして南相馬と公演したのですが、
現地の皆さんから「本当にありがとう」という言葉を、繰り返し云って頂きました。
この芝居、全国でもっとやってくれ!と、
若い人に観せたい!ということを云われましたので、来年、『屋根』という芝居を冬にやるのですが、その後に、夏か秋口に、もう一回この芝居をやろうと思っています。
(会場、拍手)
今日は、本当にありがとうございました。」
(拍手、さらに高まり―)
『ノクターン―夜想曲』は、まだまだ奏でられ続きます。古里・福島の復興の一助となりましたら本望です。
―芝居の公演というのは、実はそう簡単に実現できるものではありません。しかし倉本は、全力を尽くして全国からの再演希望の声に応えようと、立ち上がりました。倉本の「覚悟」のこもった『ノクターン―夜想曲』という作品。再演が実現するように、皆さまぜひ応援してください。