「北の国から」放映45周年にあたって―――2026年3月11日 北海道・富良野

「北の国から」放映45周年。
毎年のように心に残る名作を生み出している倉本聰——
周年記念年が重なる作品も、たくさんあります。
例えば倉本聰脚本の新作ドラマが、芸術・文化の季節と云われる秋。テレビ業界でいうところの秋の番組改変期にスタートすることが多いので、10月の第1週は、記念の番組特番!新ドラマチーム対抗のクイズ大会だとか、NG大賞だとかで、そして第2週から全11話スタート、というパターンが多いですね。
「北の国から」のファーストseasonは、1981年10月9日金曜日の夜10時からスタートしました。
「風のガーデン」は2008年10月9日木曜日の夜10時からスタート。
2つの名作ドラマは同じ誕生日なんですね。
今まで周年記念事業が10年毎の開催が多かったのですが、今回は5年周年を重ねましたので、倉本先生関連の大きいところでは2つの記念事業と同年開催となりました。

2006年に自然保全活動を行う「富良野自然塾」がスタートして今年が創立20周年。
そして40年前の1986年、森の大切さを学ぶ「富良野森林フェスティバル」が開催され、そのテーマ曲として「カムバック フォレスト 森よ還れ」が倉本聰・作詞、宇崎竜童さん作曲で創られました。富良野岳の麓「原始ケ原」の特設ステージで、田中邦衛さん吉岡秀隆さん中嶋朋子さん竹下景子さんたち「北の国から」の出演者に「昨日、悲別で」「ライスカレー」の出演者も総登場で、その歌を大合唱。林英哲さんの太鼓と富良野塾生の木太鼓が加わり、観客1700名が一体になっての大合奏となりました。
ファンの皆さんにとっても、五郎さん純君螢ちゃん雪子おばさんと一緒に歌ったあの日の富良野の思い出は、永遠のものになったことでしょう。
詳しくは、倉本聰・著の「冬眠の森 ——北の人名録 PART‐2——」の最終章「俺たちの祭」の後半をお読みください。新潮社さんの「北の人名録」シリーズ、最初の「北の国から」の撮影の頃の富良野を描いたエッセイ集ですが、PART‐1は近年、新潮文庫より文庫版が出て、とっても読みやすくなったのですが、PART-2の「冬眠の森」は続刊されず、古本か図書館にあたるしかないのですが、手間をかける価値のある好著ですので、ぜひお読みください。
「北の国から」45周年と重なった「富良野自然塾」創立20周年。そして「カムバックフォレスト」誕生40年。それぞれ“富良野の自然”というところで重なる部分も多いので、いろんな面で合奏できるといいですね。
―――そして、悲しい重なり方をしたのが、2011年のこと。私たちは「北の国から」の放映30周年の記念事業の準備をしていました。当時行われていた富良野塾出身でプロとして仕事をしているOBOGを集めた「ライター特別講義」で、30年前の最初の「北の国から」24話を倉本先生自身が徹底的に深く掘り下げて講義して下さり、その講義録を1冊の書籍にしようとしていたのです。そして2月下旬から倉本先生と共に東京・富良野を行ったり来たりしている中、あの日を迎えました・・・
あの日、富良野もかなり揺れました。震源から離れていたので、長周期地震動という揺れが、何度も何度も大きく大きく揺れて・・・揺れは深夜遅くまで繰り返し、思い出しても涙が出るくらいの、心細さ。揺れていなくても、揺れている感じが続き、そこに「原発が爆発した」という話。
後に30周年記念の「北の国から」特別講義録は、倉本先生自身が新たに書き下ろした書籍となりました。「獨白(どくはく)2011年3月 「北の国から」ノーツ」と題された名著です。幸いなことに、まだ若干在庫がありますので、購入可能です。
【獨白 2011年3月 「北の国から」ノーツ/富良野ドラマ館オンラインショップはこちら】
大震災とその後の被災地と日本を見つめる中で、「北の国から」で書いた「根っこ」がカタチとなったのがこの本です。
「北の国から」が最初、何もないところから創られた話、スタッフやキャストが、どう頑張ってこの作品を創りあげたかの「メイキング本」なら、講義録からまとめられたかもしれません。
でもその時、作者である倉本先生本人が、何を考え、何を書こうとしたか、それを書けるのは本人だけでしょう。
大震災で、生きることの「海抜ゼロ」を見つめ直したこの時に、この本は書かれました。
「北の国から」で五郎や純、螢を育んだ“富良野の大自然”と共に――。
あの日から15年と45年の今、ぜひ読み直してみてください。








